時の話題 「欧州の選挙制度」

 三水会11月例会で河相道新稚内支局長が「欧州主要国の選挙制度」と題してスピーチした。河相氏は稚内に赴任する前、ロンドン支局長を務めており、英国やドイツ、フランスなどでの選挙について「活発に政権交代が行われる欧州各国の選挙制度を参考にすれば日本でも政権交代が起きやすくなるのでは」と述べた。
 日本では小選挙区比例代表制導入以降、2回しか政権交代が起きていないのに比べ欧州各国では数年~十数年ごとに代わっており、選挙制度がそれほど変わらないのに政権交代が頻繁なのは▽民主主義の歴史から来る根付きの違い▽国民性の違いと政権への関心・意識の差▽野党に対する信頼度の差ーなど挙げていた。
 関心・意識の違いでは日本の投票率が50%そこそこなのに対し、英国は60%台、ドイツは直近2回で共に76%と高いことで、河相氏が英国の街角でインタビューするとほとんどの国民がしっかりした意見を述べていた。
 欧州ならぬ豪州(オーストラリア)では投票を棄権した場合に1924年から20~50億豪ドル(2千~5千円)の罰金を課していることもあり、毎回90%以上の投票率なのだそうで、一般国民の政治への参画意識の高さが政権交代を生んでいるともした。
 この罰金について河相氏の講話を聴いていた三水会会員の一人は「罰金とは逆に投票すれば褒賞、例えば数千円支給すれば」と軽口をたたいていたが、個人的には「それもありかな」と思うも、とどのつまり日本の政治を代えるには荒療治が必要だということだ。