先週のことども

 先週、2人の読者から抜海駅存続について電話があった。抜海駅100周年実行委員会長の森寛泰抜海町内会長の駅存続要望書と署名簿を提出したとの小紙記事を受け「抜海駅って何か特別なものがあるのですか」(女性)「除雪など維持費がかかる上、乗り降りする乗客が少ないのだから稚内市の対処は妥当なものだ」(男性)と率直に話していた。
 JR北海道の駅廃止表明を受け稚内市は地元(抜海、クトネベツ)住民の存続要望を尊重し除雪など駅の管理維持費を支出してきたが、乗降数が少ないことや代替バス試験運行によって住民に不利益を被らないとし、来年3月末で駅への補助を中止することを決めた。
 抜海駅は秘境駅ではないが木造駅舎として昨年、100周年を迎えたこともあり鉄道ファンが注目するようになり駅舎から少し離れているが民宿もあり存続への気運が盛り上がってきていた。
 存続への世論もあり工藤市長も助成期間を延ばしてきたが、乗降客などから勘案し助成を中止する決断をし今に至っている。
 JR北と地元住民との板ばさみとなった時期あるも首長として優柔不断な判断はできず廃止の決定をしたが、住民サイドにあっては駅廃止は宗谷線(稚内~名寄間)の廃線にも繋がることも有り得るとして助成中止の反対攻勢を強めているようである。
 抜海、クトネベツ住民が稚内市街地へ買い物などで来るのは車で十分足りる。駅が無くなると地域は寂れる。地区としてのアイデンティティーもあるものと見ている。