風車適地ゆえの悩みも 市議会総経委 30by30の考え方、着実に
24日、市正庁で市議会総務経済常任委員会(吉田大輔委員長)が開かれ、千葉一幸議員(志政会)の質問に対し田中企画総務部長は「植樹活動は緑化活動にとって大事なことで学校での取り組みも子ども達への啓発など30by30(サーティ・バイ・サーティ=30年まで陸と海の30%以上を健全な生態系としての保全を目指すこと)の考え方で稚内の陸上風力発電に取り組んで行きたい」と述べた。
委員会冒頭、山本純エネルギー対策課長から8月末現在、小型・マイクロ風力発電施設の建設申請が43件(101基)、大型風力発電施設が10件(118基)あることの報告があった。
千葉議員は、稚内市としてのガイドラインと概要説明を求めたあと、抜海地区での風力発電施設の説明会(9月30日)での市の説明を受け、建設される風車は全て住宅地から500㍍以内のため住民が反対している現状を述べ市に質した。山本課長は「事業者に再考を求めており、今後の状況によっては建設中止という事態もある」と答えた。
続いて千葉議員は風車建設地での大雨など自然災害について触れ「土砂崩れは土壌脆弱指数が一因としてあり雨量が少ないからといって災害が起こらないとの楽観的な見方は危険だ」とし、稼働を終えた風車の原状回復(山道など)にも触れ「業者は原状回復をし森林保全に努めるべきだ」とした。
クマの市街地出没(アーバンベア)にも話は及び、山本課長は「90年春からクマ駆除を中止したことが影響した」と答えると、「声問や宗谷丘陵はレッドゾーン(風車建設に不適地)とされ、建設推進だけでなく一定程度の規制を設けるべきだ」とすると「北海道や国の許認可のため実態把握など難しい」(山本課長)とした。
更には抜海での中型2基建築に関し「自治体が明確に反対すれば道なども精査するのでは」と稚内市の対処に善処を求めた。
佐藤由香里議員(日本共産党)からも小型風車の建設認可件数、認可後の放置件数はあるのか―などとの質問に山本課長は60件認定したが17件建設されないこと▽放置したままだと取り消しなど答弁していた。


