時の話題 「5度目の正直」
三度目の正直ならぬ五度目とは。石破茂氏(67)が自民党総裁選を制した。党員・議員票同等の1回目の投票で高市早苗氏(63)がトップとなり2位の石破氏との決選投票は予想どおり石破嫌いの麻生氏が派こぞって高市氏への投票を指示し、茂木敏充氏も同調する動きを見せたが、岸田総理が旧宏池会(岸田派)議員に石破氏への投票を呼びかけ、菅前総理も石破氏支援に回った結果、215票対194票という僅差で石破氏が悲願の総理の座を射止めた。
小泉進次郎氏(43)は若いというのか詰めの段階での甘さがあった。二世議員ゆえの苦労の無さを露呈した。暫く世の中で苦労した方がよかろう。
林芳正氏と小林鷹之氏は1回目で60票台に乗り存在感を示し、上川陽子氏は40票と彼女としては大健闘だったが、案外だったのは茂木敏充幹事長と河野太郎氏、加藤勝信氏に至っては推薦人(20人)から2人剥がされ己が力の程を知ったことだろう。
当選した石破氏を除くと高市氏は〝ガラスの天井〟の分厚さを知り、高市氏に肩入れした麻生氏は表舞台から遠ざかる一方、岸田氏はキングメーカーと言わずとも影響を残し菅氏にも同じことが言えよう。
林氏と小林氏は将来の芽が出てきた存在になったと言えようか。
財務、外務、経産の重要三閣僚を経験していない石破氏はこの先ほぞを食うこともあろう。しかし政治家としての見識と主張は群を抜くものがあり意固地にならなければ立派な宰相となろう。安倍政治終焉の主役は矢張り石破氏だった。