時の話題 「セコマ会長の講演」

 道内でセブンイレブン、ローソンなど大手コンビニを凌駕するセイコーマート統帥の丸谷智保セコマ代表取締役会長が稚内地方法人会の公益団体移行10周年を記念し講演するというので取材方々、豊富町へ赴いた。
 銀行家上がりのサラリーマン社長くらいとしか考えていなかった丸谷氏だが、創業者の赤尾昭彦氏に見込まれた通り頭脳明晰で独特の経営戦略を有する方で目から鱗の話に感服させられた。
 筆者は金融に携わる人は好みでなく丸谷氏に関してもそのようにしか見ていなかったが、どうしてどうして言葉の歯切れはいいは、内容も分かりやすく講演慣れしているとはいえ1時間半の講演はアッという間に過ぎた。
 正直、ただ者でないと強い印象を持った。地域との密着型経営は然ることながら地方への出店は「地域貢献といえど赤字はダメ」ときっぱり語り、幾らかでも利益が出るような店づくりに腐心したとも述懐した。
 地域貢献であっても寄付(赤字のことか?)では店は長続きしないとも述べ、「付加価値をつけた事業・産業にしなければならないと言われるが、この言葉は今の時代にとって古く、今は削減価値の時代」と語る。高齢化社会となり社会保障(年金、生活保護など)に依存する社会では「お客に負担かけられず生産費を自らの努力で削減していかなければならない」とも強調していた。
 講話を聴き強く思ったのは経営者として現場主義を貫いていることで、頭の良い人が陥る机上の空論でない実利主義者であることが分かった。