「地域と一体の営業」 法人会公益移行10周年 丸谷セコマ会長講演会

 稚内地方法人会(藤田隆明会長)の公益団体移行10周年を記念した講演が26日午後、豊富町定住支援センター「ふらっときた」で開かれ、セコマ代表取締役会長の丸谷智保氏(70)は、大手コンビニが道内に進出する中、セイコーマートの道内の人口に対するカバー率が99・8%に達していることに触れた上で「ただ単に儲けるという発想でなく地域貢献と精神が重要なこと」などと経営戦略の一端を披瀝した。
 集まった80余人を前に藤田会長、河田豊富町長の挨拶のあと登壇した丸谷氏は、豊富牛乳公社はじめ農業生産法人、農協と契約農家卸売市場のサプライチェーンが礎としてあり経営され、現在の売上高は2000億円になり年間来店者が2億3千万人を数え、道民一人当たり年間45・2日最多は970回にもなる客がおり「固定客に支えられている」とした。
 NHKテレビで放送された初山別村での出店など改めて紹介した中で「コンビニ経営は人口の多寡ではなく密着性が必要」としながら「地域貢献が必要なのは言うまでもないが寄付(赤字経営)では長続きせず地域起こしでなく〝地域残し〟の発想も大事なことだ」と述べた。
 滝の上町のミント農家との関係では継続して販売し(これら生産者を)育てることも肝要とした。
 付加価値が殊更に叫ばれているが「この言葉は古く今は削減価値の社会で、高齢者に負担かけず会社の自助努力によって生産費を削減しなければならない」とも説いた。
 物流問題は片荷でなく両荷(商品を運んだ先での荷物)運送は喫緊の課題と言え稚内地方への高速道路延伸と航空貨物の利用にも触れ、最後に「地域に住む方々が誇りに思うような経営戦略を目指し地域振興に寄与して行きたい」と述べた。