災害に強い街づくり 市長行政報告 CIR着任の期待なども

 9月定例市議会は5日から30日までの日程で開会。補正予算案4億7155万6000円などの議案が上程され、初日は工藤市長が5項目について一般行政報告した。
 市長は、技能実習制度などにより市内でベトナム人を中心に外国人が増えていることを受け、稚内市で初めて国際交流員(CIR)としてベトナム出身の女性グエン・ティ・ミン・フオンさんが着任したことについて「国際交流員は外国人に対し、国際交流事業の企画など交流活動に従事して頂きますが、グエンさんには当面、市内で暮らすベトナムの方々の生活に不自由が無いよう、ベトナム語による生活情報の発信強化、生活相談の対応をしてもらい通院時や緊急時の通訳支援、日本語の学習支援などに取り組んで頂いております」と期待を寄せ、今後については「外国人の方々の動向を見極めながら、この街で安心して頂くため取り組みの充実を図りたい」と述べた。
 昨年秋にオンラインで友好交流協定を締結した台湾最南端の街の恆春鎮の訪問団が今年7月、稚内を初めて訪れたことについて「稚内を視察した際、台湾などのインバウンドの入込状況の関心が高く歓迎会で話題として大きく上げられていました。昨年は稚内に3000人を超える台湾人観光客が訪れており、今回の訪問を契機に行政と民間の交流を深めていきたい」と述べた。
 8月31日に稚内港で実施した大規模地震・津波総合防災訓練について、津波想定での避難、離島からの避難者受け入れなど他の港湾にはない特徴的な訓練を行ったことを踏まえ「道北地域で大規模な災害が起きた際、稚内港の果たす役割は大きい。訓練で地域防災力を向上させ、更に災害に強い街づくりへと繋がっていく」とした。
 このほか5年ぶりに稚内港に寄港した大型クルーズ船飛鳥Ⅱ、開館50周年を迎えた青少年科学館について報告した。