「素直に謝ることで平和に」 港小で遺族会の山口さん講話
大韓航空機撃墜事件遺族会の山口真史さん(43)が2日、港小を訪問し、平和学習の特別講師として事件を振り返り平和を願う思いを伝えた。
大韓航空機撃墜事件が発生したこの時期、山口さんは稚内市子育て平和の日記念式典への出席をすると共に、市内小学生〜高校までの児童生徒に対し、平和学習の特別授業を行っている。今年は、南小、港小、南中、稚高定時制で授業を行っている。
港小では、4〜6年生28人を対象に「平和と素直さ」をテーマに講話した。大韓航空機撃墜事件で父を亡くした山口さんが、旧ソ連や航空会社の発表、報道によって乗客の安否が一転したことなどに触れ「一度は無事であると聞き、その後、全員亡くなったと報道された。遺体や遺品が見つからず残された母が生前最後まで父が生きていることを信じ諦めきれなかった」などと話した。
山口さんは「大きな平和を維持するのは難しいかもしれないが、失敗した時は素直に謝ることを小さな時から身につけておくと周りの人たちに平和が生まれるということを覚えていてもらいたい」と平和に対する思いを語っていた。
「川名さんと共に市に寄付 平和学ぶ子ども達のために」
大韓航空機撃墜事件遺族会の川名正洋さん(静岡県)と山口真史さん(兵庫県)が2日、稚内市に30万円を寄付した。
全国各地で撃墜事件について講話などを行っている山口さんは様々な活動している中で受けた寄付、川名さんと2人で協力した善意を稚内市の子ども達のために活用してほしいと寄付した。
市役所を訪問した川名さんと山口さんは「祈りの塔がある宗谷岬平和公園の維持費、平和について学ぶ子ども達のために役立てください」と話し、工藤市長は「将来の平和や子育てのために役立てていきたい」と感謝していた。