大韓機撃墜され41年 稚内市 記念式と平和の灯催す
市、市教委など主催の第37回稚内市子育て平和の日記念式典が1日、宗谷岬公園祈りの塔前で開かれ、参列者が大韓航空機撃墜事件の犠牲者の冥福を祈った。
参列した関係者150人を前に、工藤市長は「この悲惨な事件は冷戦下、国境であるが故に発生したもの。それだけに平和への意義を強く持ち、世界に向けて平和の輪が広がることを願っている」などと挨拶。続いて遺族会を代表し川名正洋さんが「当たり前の生活が当たり前にできる平和、戦争がない社会を願いたい。子どもたちには平和を愛し平和について学んだことを実践していってもらいたい」などと述べた。
稚内市連合PTA子育て委員会の池野奈穂美さんが子育て平和都市宣言を朗読し、代表児童生徒5人が平和への決意表明をしたあと「愛と平和と音楽と」を合唱した。
川名さんが祈りの塔で鐘打したあと、参列者は平和の鐘を鐘打し恒久平和への思いを新たにしていた。
その夜には、第19回平和祈念の灯が北防波堤ドーム内などに灯され犠牲者の御霊を追悼し世界の恒久平和を誓った。
オープニングで稚内フラウエンコールとエンジェルボイスが合同で「みどりと愛と平和」の合唱を披露したあと、参列した遺族会の川名正洋さん(静岡県)、山口真史さん(兵庫県)、事件で友人を亡くした台湾からの60代男性、実行委員ら関係者120人余りを前に、工藤市長は「祈念の灯りを通じて稚内の子ども達に平和の尊さを伝える。それが私達の使命でもあります」と挨拶した。
遺族会を代表し事件で当時32歳の父親を亡くした山口真史さん(43)は「犠牲になった人たちや遺族、誰かのことを思う灯を守って頂いているのが嬉しい。灯を見ながら事件の犠牲者や遺族、身近な人に思いを寄せてほしい」などと述べたあと、参加者全員でドーム内に設置した100基、活動拠点センター前8基の108基の灯篭に火を灯し恒久平和を誓っていた。
灯りを点灯した台湾男性は「色々な国の方が事件で犠牲になっていますが、追悼式は続けて頂いているのは稚内市だけで感謝しています。今回、式に出席させて頂き有り難うございます」と翻訳アプリを使って話していた。