十字架担ぎ日本縦断 アーサー牧師 ゴールの宗谷岬めざし
沖縄から十字架を担ぎ日本を縦断している牧師のアーサー・ホーランドさん(72)が29日、ゴールの宗谷岬を目指す道中、取材に応じたアーサーさんは「終わりがあれば始まりがあり今後も旅は続く」と目前の最北端の地を碑を目指し歩みを進めた。
アーサーさんは、アメリカ人を父に、日本人を母に持ち、若かりし頃は柔道に専念し、東京五輪金メダリストの岡野功の弟子として稽古に励むも挫折し、教会の礼拝に参加したことを機に宣教師としての道を志すことになった。
これまでに、暴力団員を更生に導き国内での講演など勢力的に活動する一方、60歳の還暦を機に十字架を担いで日本、アメリカ、キューバ、台湾など縦断する旅を行い、活動の様子は書籍やドキュメンタリー作品として発表されている。
今回、国内では5回目となる縦断の旅では戦争や情報社会で心に迷いを持つ人がいることや教会に来れない人たちのため、高さ2・5㍍、重さ20㌔の平和のシンボルである十字架に車輪をつけて沖縄県を4月にスタート。その後、九州、東北など歩き8月上旬に道内入りしてからは日本海を北上し、28日に稚内入りした。
道中、記念撮影や自身が〝ウーバーチャペル〟と言うよう共に歩きながらの悩み相談など、関わった人は300人以上にも及ぶ。アーサーさんは「悩みを打ち明ける人、人生に迷ってる人などたくさん出会った。私の人生経験や旅で得たものを直感で言葉にしてきた」と振り返った。
毎日、30㌔の道のりを歩き、週一回は休息する日程の中で、午前3時に起床し筋力トレーニングするルーティーンを欠かさなかったというアーサーさんは「己を磨く旅でもあり歩くことで自然と一体となりインスピレーションが湧いてくる。来年は台湾に行き、旅をしてきたい」と次の目標についても語っていた。