時の話題 「焦眉の人口減対策」
稚内は言うまでもなく日本最北にある街で最寄りの名寄市から170㌔離れ、旭川市から250㌔、札幌市とは320㌔も離れている。昔、「陸の孤島」とやゆされたものだが全国的な知名度は抜群で「稚内」と話せば万人に通じる。
その街だが沖底漁隆盛期には一時、水揚げ量日本一を記録したことあるも当時のソ連200㌋適用後は坂を転げ落ち昭和62年の第二次減船によって息を止められた感があった。
平成に入ってからはソ連からのタラバガニ輸入によって息を吹き返し参入した沖底船主もあったが、ソ連のカニ輸出規制の強化によってほとんどの業者が姿を消した。水産の街稚内の凋落である。
その頃から徐々に水揚げを増やしてきたのが宗谷漁協のホタテ漁で、着実な計画生産が功を奏し数年前から100億円を超える水揚げを誇るようになるもこれまた福島第一原発に溜った処理水の海中放出に対し中国が猛反発し講じた日本産海産物の全面禁輸によって輸出が止まってしまい昨年夏以降、国や全国各地の支援で面目を保つ状況にあるのは知っての通りである。
かつて市内の大手土建業者が年間100億円の受注実績を記録したことがあるも旧民主党政権の「コンクリートより人へ」の方針により受注額を減らすなどした。
栄枯盛衰を繰り返していることになるが産業基盤としては確固たるものがある―と思うのだが、歯止めの掛からない人口減には稚内市などもお手上げ状態にある。
若い世帯が憂いなく子を生める支援が今こそ求められている。