南中生にとって至福の日 管楽器演奏と語り部活動重なる
稚内出身のクラリネット奏者郡尚恵さんら6人の管楽五重奏団「Hana―Emi」(花笑み)の出前授業が2日、南中で開かれ、生徒たちが管楽器の演奏に聴き入った。
文化庁が小中学校を対象に芸術家を派遣し子どもたちに質の高い文化芸術の鑑賞や体験をしてもらおうと取り組んでいる「文化芸術による子供育成推進事業」の一環として行われたもので、東京を拠点に活動する南中ОBの郡さんはじめ、大熊克実さん(フルート)、池田肇さん(オーボエ)、津守真弓さん(ファゴット)、曽根敦子さん(ホルン)、小川佳津子さん(打楽器)のメンバーが出前授業として演奏した。
3年2組31人の授業では、ジャック・イーベル「木管五重奏のための3つの小品」を演奏したあと、パッヘルバル作曲の「カノンの進行」は、現代に至るポップスなど多くの楽曲に取り入れられていることなどが紹介され各楽器の歴史や音が鳴る仕組みなども伝えた。
「カノン」の演奏では、生徒たちも楽団とハンドベル演奏でコラボし、最後には物語と音楽を織り交ぜた「こわれた1000の楽器」の10分弱の演奏と語りを聴き、音楽の素晴らしさを伝えていた。
女子生徒は「綺麗な演奏を聴くことができ嬉しかったです」と感激し、郡さんら演奏者は「みな真剣に聴いてくれて反応がよく楽しかったです」と話していた。
2日、南中で稚内市民観光ボランティアを講師に招いた出前講座が開かれ、生徒たちが稚内の観光や食などの魅力について学んだ。
宗谷総合振興局では地域の魅力発信や地域住民に対する郷土愛を持ってもらうため宗谷管内の歴史や文化に秘められたストーリーを地域の語り部が紹介する「SOYA Histories」の活動を行っている。
3年生70人を対象に行われた講座では、稚内市民観光ボランティアの大場弘一会長と小松崎海歌さんが「私の街を知ろう」と題し、宗谷岬公園、稚内公園北防波堤ドームなどの観光景勝地やみなと南極まつりなどのイベントを紹介。小松崎さんは「宗谷は食べ物が美味しく素敵な街。海外からもたくさんの人が来ていてすごい街です」と魅力について語っていた。
3年生は9月に修学旅行で行く札幌で観光大使を務めることになっており、地下歩行空間、道庁前、テレビ塔広場で南中ソーラン演舞や今回学んだことを基にポスターやパンフレットを作成し稚内のPR活動を行う。