抜海駅開業100周年を祝う 記念式と記念碑除幕式

 抜海駅100周年記念式典とクラウドファウンディング(CF)で建造された記念碑の除幕式などが23日、駅舎前などで行われ、鉄道ファンや関係者ら100人余りが節目を祝った。
 抜海駅は1924年開業。日本最北端の木造駅として知られ、6月25日で100周を迎えるが、来年3月末で廃止される方向にある。
 稚内駅を出発し午前10時46分着の列車に乗車した式典参加者60人余りを抜海駅で出迎えたあと、駅前広場で開催された記念式には遠くは九州などから105人が参加した。
 抜海町内会の森寛泰町内会長は「100周年に向けクラウドファウンディングなどで沢山の支援、声援を頂き今日まで来ることができました。協力のもと記念碑を建てることができ、時間が許す限り楽しんで頂きたい」などと挨拶。続いて鈴木市議会議長が「100周年を迎え心からお祝いを申し上げる。大正から令和にかけての100年間で果たしてきた役割は大きく、思い出いっぱいです」、前市長の横田耕一さんは「一人ひとりの思い出がある駅舎をいつまでも残していくのが私たちの務めであり、残そうという人々の心意気が第一。何でも行政で頼むのではなく自分たちの力で何とかしようとの取り組みが大切です」などと挨拶した。
 除幕式では、CFで募った寄付者67人の名前が刻まれ、利尻富士がデザインされた記念碑がお披露目され、参加者が記念撮影していた。
 稚内には10回以上訪れているという茨城の50代男性は「こういう時代だからこそ観光コンテンツとして駅舎を活用する必要がある。最北というキャッチフレーズなど活かし存続するよう願っています」、抜海にある実家の跡地に記念碑を建てることを承諾した市内に住む樫山昭一さんは「駅舎と目と鼻の先に住んでいただけに沢山の思い出がある。駅が無くなるのは寂しい」と話していた。
 抜海港の倉庫での懇親会は千葉市議の乾杯の音頭で始まり、ホタテやウニなど海産物が振る舞われ、トンコリ奏者などの弦楽演奏など余興を楽しみ、参加者は駅舎の思い出など語り合っていた。