時の話題 「物価高考案」

 一昨年の22年2月のロシアのウクライナ侵攻での原油高騰から端を発した物価高は為替相場の円安によって輸入されるモノの価格が上がり、この2年半の間、毎月のようにあらゆるモノが値上がりしている。政府や連合など主導の賃上げで昨年今年と賃金が大きく上昇しているのだが物価高騰に追い付かず国民の可処分所得は下がる一方にある。
 稚内では以前、〝稚内物価〟なる他の地域に比べて総じて値段が高い状況にあったが、全道的な食品スーパーやコンビニなどの進出により是正され、モノによっては札幌や旭川より安い物やサービスあったものの、全国的な値上げラッシュにより総じて全国並み価格が幅を効かすようになり地方にある普通の小都市になっている。
 稚内価格の恩恵は商売する人だけでなく働く側にもあり労使協調し己が会社・商店を守ろうとする連帯も生まれた。「ある意味」的な表現だが、〝陸の孤島〟とやゆされた稚内の姿でもあった。
 全国一律化する現代にあって正に親亀転ければ子亀・孫亀すべて転けてしまうという一挙玉突きされ逃げ場が無いというのが現状であろうか。逃げようがないから何処にでも縋ろうとし、企業側の思惑通り非正規の職業人が全国民の4割を占めるようになり、物価高騰などと言う荒波に耐えられず自死する人も増えている。
 職業に貴賤はないと言うが、実際のところは如実にあり、稚内など地方都市の場合、公務員や漁協・農協など団体職員に優位性はある。人間みな平等と言
っても埋めようがない不平等がある。