宝塚音楽学校に合格 稚内出身 佐藤さん 12倍という難関を突破
稚内市川南出身の佐藤直美さん(18)が、宝塚歌劇団員を養成する宝塚音楽学校(兵庫県)に合格した。倍率12倍という難関を突破した佐藤さんは「歌と芝居が好きなので得意分野を活かして頑張りたい」と夢に向かって歩みを始めた。
佐藤さんは天北小中卒業後、札幌市立札幌旭丘高校へ進学。宝塚歌劇団が好きな母仁美さん(44)から見せてもらった「エリザベート」のDVDを見て宝塚を目指すようになり中学2年、高校2年の時に受験するも合格せず受験資格が18歳までと制限がある中での最後の試験で念願の合格を果たした。
3月中旬から兵庫などで行われた試験には全国から480人が受験し、40人が合格。旭川以北での合格者は初めてとなる。
稚内では、中学生の時にバレエサークル「プリエ」に所属し、本格的なバレエや声楽のレッスンを始めたのは高校に進学してからのことで、高校3年生になってからは、夏休みに大阪で行われた講習に足を運びレッスンを受け、自宅ではバレエの基礎など努力を重ねてきた。
1〜3次までの面接やバレエの実技など行われた試験に佐藤さんは「面接は上手くいき実技は緊張せずにリラックスして臨むことが出来ました」と振り返り、合格の朗報を受け「番号を見て信じられない気持ちでした」と話していた。
宝塚の受験生は幼少期など早い段階でバレエなど習う中、スタートが遅かった佐藤さんはレッスンについていけず挫けそうになったこともあったという。「楽しく思えない時期もありましたが、厳しい練習にもついていけるようになりました」
宝塚歌劇団の舞台が始まる瞬間での一体感に魅力を感じるという佐藤さんは「雪組の夢白あやさんに憧れを抱いており、入学してからはタップダンスなど全くやったことのないものもありますが、自主練習を頑張っていきます」と目を輝かせていた。
仁美さんと父の正輝さん(41)は「厳しい世界だが頑張って欲しい。関わった人達への感謝の気持ちを忘れず疲れた時には無理をせず家に帰ってくればいい」と親心を述べていた。
4月19日に入学式が行われ、2年間、ダンスなどのレッスンに励む。(寺本享平)