時の話題 「金の卵どこへ」
昔、中学卒は〝金の卵〟と言われ、東北など東京駅に向かう金の卵を乗せた列車は昭和29年から40年代まで続いた。余程の事情がない限り中卒の人は少なくなり金の卵は高卒、そして大卒まで拡大した結果が日本全体を覆う人手不足である。
それは大都市に限らず稚内など田舎街にも及び、稚内職安管内では1月末まで2倍を超える月間有効求人倍率が4カ月続いている。どの業種も人材不足は深刻で稚内プレス社は社員ばかりでなく配達する地域で5カ所穴が開いてしまうという状況になっている。
求人広告などから推察するにコロナ禍明けの観光客増加に伴いホテルなど宿泊施設は深刻のようだ。北海道の最低賃金960円を超える時給千円台も常態化しつつあるようだ。
セイコーマート、ローソンのコンビニ店も人手が足りない状況に変わりがないが、人が辞めても時給が高いものだから穴がすぐ埋まるという話も聞く。
人口流出の一因に職を求め転出する人がいるやに聞くが、どの業種も人が不足しているので引っ越し代など出費してまでも札幌などに転居することもあるまい。稚内で十分間に合う。
何故ここまで人手不足がひどい状況になったのか。超高齢化進展に相俟った働き盛りの人達の絶対数が減っているためであろう。OA・ITが進んでもマンパワーが必要な業種があり、その人手不足が玉突きされることなく滞留してしまっているのが現状か。
人足りず減量経営せざるを得ず、先行きはジリ貧状態になってしまうのか。繰り返してきた田舎街の悲哀か。