時の話題 「在宅看護・介護」

 勤医協宗谷医院が10数年前から取り組んでいる訪問看護・介護がすっかり稚内地方に定着し実を結んでいる。
 先日、文化センター小ホールで開かれたフォーラムには臨場した筆者が驚くほど市民が集まり、事務局の市と宗谷医院指定介護支援事業所の職員が急きょ椅子席を増やすほどであった。
 フォーラムのテーマは人生最期の看取りにどう係わっていけばいいのか。市立稚内病院の植村和平ドクターが「在宅医療のススメ」と題し、人生の最期を住み慣れた自宅で迎えようと話すのだが、この先生、根っから明るい方なのだろう、あっけらかんとして自宅での最期を奨めるのだ。
 自治医大卒業の先生は全国数カ所の病院に勤務する中、稚内留任か利礼両島への赴任を希望するも新年度4月から奥尻島の診療所に転勤することになったという。離島という意味合いでは願いが叶ったという事になるのだろうが、稚内市民としては惜しい人を失うことにはなった。
 フォーラムで現場の人達の声を聞くシンポジウムが開かれ、発表した人達は苦労がありながら前向きな発言をしていたが、一言「大変だろう」と筆者個人は思った。病人は我が儘な人が多くお年寄りになると度合いが増幅する嫌いがある。人には言えない心労もあること察し申し上げる。
 それにしても高齢の市民の皆さんがこれほど在宅医療、そして行く行くの最期の看取りに関心を寄せていると思わなかった。
 推し量るに開催した市なども反響の大きさに驚いたに違いない。石山武浩主任介護専門員の功労、大である。