逆風も前年実績残す 稚内漁協 販売・市場で29億円売上

 稚内漁協は15日午後第76回通常総会開き、昨年度の事業報告など承認した。中国による日本水産物の全面禁輸措置の影響があるとはいえ販売と市場合わせての取扱高は約29億円と前年並みの実績を残した。
 出席した組合員、来賓を前に、岡田直行組合長は挨拶の中で昨年を「新型コロナの5類移行に伴い水産物の需要や魚価が回復し、社会経済活動が正常化を取り戻していますが、海水温の上昇や物価高騰、中国による日本水産物の禁輸措置など漁業者を取り巻く環境は一段と激しさを増した年だった」と振り返り今年一年を「今後も水産物の安定供給、組合員の健全経営に向けて役職員が一丸となって努力していきたい」と述べた。
 主な魚種取扱いは▽主力のコンブは、天候に恵まれず採取できない状況が続き、130㌧の計画に対し115㌧の実績だったが、コロナの収束で消費回復の期待で価格が前年比で2割ほど上がり、販売事業全体で計画から30%増の3億3400万円となった▽ナマコは春漁で経済回復と円安で過去最高の値となったが、夏はアルプス処理水放出による影響で価格が下落し、シケで出漁回数が減り数量は前年から50㌧減の205㌧で10億1000万円の取扱い高となった。
 毛ガニやノナなどはインバウンド需要、景気回復で価格が高騰し計画を上回ったことで市場全体の水揚げは1194㌧、金額は計画より27%増の25億6000万円の実績を残した。