時の話題 「賃上げ」
春闘で大企業の給料アップが決まり月額1万円台どころか2万円台まで上げる企業があり正直驚きを禁じ得ない。仮に1万人の従業員がいるとしたなら2万円昇給した場合2億円もの金額である。さすがに大企業である。
デフレ経済下にあってインフレ化に舵が切られたのはロシアのウクライナ侵攻で、先ず油類が上がり〝世界の穀倉〟と言われるウクライナ産の小麦など農産物の供給不足により高騰し次第に食料品などがジワジワ上がり出し、全産業に影響が及んでいるのが現状だ。
この間、円安もあって輸入品が続昇した一方、トヨタなど自動車産業ばかりか輸出産業は大儲けし、昨年春闘に続き今春闘での大幅賃上げになっている経緯がある。
この大幅賃上げには大企業の好業績はあるものの、現下の人手不足の強い影響を受けているとされ、過日の植田日銀総裁の発言が影響しているものとされる。マイナス・ゼロ金利政策の転換を意図しているからである。
大雑把とはいえ大企業を中心にした賃金アップの状況を説明させていただいたが、日本中の7割を占める中小企業の給料はどうなるのか。1万円台の会社があるやも知れぬが大方は数千円アップに落ち着くのかと推察している。
小企業というより零細企業が大半を占める稚内にあってアップすることさえ難しい会社もあろう。経済をけん引する水産業、土建業とて先行き不透明の中大幅アップすることはなかろう。ホテルなど観光業は非正規のパート職雇用で賄っているとはいえ時給千円超えが最低線となろうか。