時の話題　「市の新年度予算案」

　一般会計予算案が過去最大の２７１億３７００万円まで増えたことに言及せねばなるまい。その主たる要因は前年度まで補正予算で賄っていた除排雪費を当初予算に盛り込んだためである。金額としては10億円余り計上している。
　待ったなしの人口減対策として▽高校生までの医療費無料▽小・中学生の学校給食費半額助成▽保育所・幼稚園に通う３～５歳児への給食費半額には総額で1億６４２６万円盛り込むが、子育て世帯への助成は少子化を防ぐためには即効性のあるものだけに将来に亘り推移を見なければならない。
　人材・人手不足に対しては外国人実習生の力は欠かせず、その生活支援と、とりわけ不足する介護人材の外国人登用への取り組みで都合１千万円以上予算化するのは、将来の人口減少と働き手不足を見据えた施策として今後も地道に取り組んでいく必要があろう。
　市立稚内病院に9年振りに泌尿器科の常勤医が配置されるのは正に吉報で、徐々にではあるが好転しつつある同病院のスキルアップの道筋を描くものとして見守って行かなければならない。
　ゼロカーボン（脱炭素）推進策として今月26日に設立される地域エネルギー会社「北風と太陽エナジー」にとって、風力とメガソーラーで発電された電力が公共施設の電力として利用されることは事業実行を円滑に進めるものとして期待されよう。
　継続事業として▽市役所庁舎建築▽稚中校舎改築▽緑・富岡環状線整備に約28億円投じられる。箱物とインフラが充実する。