時の話題 「2万1000号」
お陰さまできょうで2万1000号を迎えた。2020年9月18日の2万号から数えて3年5カ月を要した。
山椒は小粒でもぴりりと辛いを本分に、創業者の前田彰翁以来、権力に楯突くような紙面づくりを曲がりなりにも模索する73年間だったが、時の市政に半年間、広告掲載を見送られるなど辛酸を舐めた過去はあったものの、どうにか息絶えずやってこられたのは読者の皆さんとクライアント(広告主)のお陰で感謝申し上げる。
先日あった読者からの電話で「上目目線でないの」などとの指摘いただいたが、敢えて言わなかったものの、気を吞まれては仕事にならず、お許しいただきたい。
筆者が社長になり今年で12年目を迎えるが短気、それも瞬間湯沸器並みのものだから取材先や読者との衝突は日常茶飯事で、これまで「裁判所に訴えてやる」などとの相手方の怒りは何十回、いや何百回経験したことか。
その爺が今や深窓の令嬢ならぬ〝深窓のじじい〟と化した今、記者はじめ制作・受付の社員は大人の対処ができ、この主力となる人達が稚内プレスをつくって行くことに多少の不安はあるものの、プレスの将来像なのかなとの思いはある。
時の権力者でなく市井の人達への対処をバックボーンとしなければならない気概が一番の肝所で〝男芸者〟にならず山椒の精神を受け継いでもらわなければならない。
媚びず権力者には物言いサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)の代弁者として新聞を作って行かなければならない。信念なくば立たずである。