時の話題 「名士歌謡祭」
旧聞に属するが、昨年12月に開かれた名士カラオケ歌謡祭の出場者の一人が酩酊し登場したことに「控え室で飲食させる慣例は止めるべきだ」との声が上がっている。
出場者の緊張を和らげることもあり控え室には酒類が用意され出番が早い人は景気付けになる利点があるものの、出番が遅い人はつい飲み過ぎてしまい昨年のような事になることがある。そこには素面で歌を唱うことが出来ない素人の悲しさが潜んでいるのだが今回のよう酔っ払ってしまうまでになるというのは当人に相当なプレッシャーがあったということになり、同情申し上げるも〝名士〟がする所業ではない。
文化の殿堂である文化センターで飲食は提供すべきものでなく控え室とはいえ酒類が置かれていることが問題で、主催する稚内市文化協会が仮に用意していたとするならば行き過ぎた対応と言える。
数百人の前で素人が唱うのは勇気がいるだろうが素面で唱ってこそ、ある意味盛り上がるものでスナックでもあるまいし大酒を飲み唱うなんていうのは言語道断であろう。
推し量るに控え室での景気付けは常態化しているのであろう。これまでは酒を飲んでも大半の人は大役をこなし問題になることはなかった。しかし人によっては酒の弱い人もおり今回の事態を招来したもので文化協会は運営の在り方を改めて検討すべきだ。
一時は文化センターで唯一、満席の聴衆を集めた歌謡祭だが、近頃は聴衆も少なくなり曲り角に来ている。師走恒例の伝統事業だけにより良い姿で開催されること願っている。