時の話題 「倒産の増勢懸念」
東京商工リサーチ旭川支店から道北地方の10月倒産企業が公表され、稚内では創業83年の老舗金子陶器店(中央アーケード街)が倒産した。ほかに旭川で4社、奈井江で1社倒産した。
この2カ月、倒産ゼロが続いていた道北地方だが、10月一気に6社と増えたのはコロナ禍での〝ゼロゼロ融資〟の返済が始まったこともあるのか。今後騰勢示す公算がある。
無担保で借り入れから3年間は利息猶予の元本だけ支払うという緊急事態の融資を受けたのが相当数に上る中コロナ禍前の段階でも倒産・廃業を検討していた会社も相当数あったはずで〝ゾンビ企業〟の延命を助けた事実が厳然としてある。
そのゼロゼロ融資の返済が始まる3年経て元々ギリギリの経営だった会社に利息含めた20数万円(借入2千万円の場合)の返済はできるものでなく、踏み倒し倒産という予想は融資前からあった。
コロナ禍によって国内企業大半の企業の存続が厳しくなるとの予測から破格の融資を実行したものの、倒産寸前の企業を助け、返済見込みのない企業にも身の丈以上の融資を実行したという事実は歪めず債権放棄は必然的に起き数百億円にも至っているのは報道のとおりである。
東京リサーチ社調べの道内全体の10月倒産は前年同月対比8社増の28社、負債総額は同5億4200万円増の40億9900万円にも及び、16社はコロナ関連倒産としている。
関連という意味合いは広く禍中売上げ振るわずというだけでなく端から融資などの借金を踏み倒す気であったのかも知れない。