時の話題 「沈黙は金なり」
車でラジオを聞いていると、結婚してそう年月を重ねてきたわけでない女性から「最近、夫が何も話さず押し黙っている」と相談された女性のコメンテーターが「男性は原始時代から狩猟を業いとし、獲物を見付ける上でも周囲の様子を探らなければならず押し黙っている人が多い」と話し御主人は何か仕事上で問題にぶつかっているのではと推し量っていた。
当たらずとも興味深い話であった。
確かに男というのは何か危機に直面すると押し黙る。元々、口数が少ない人はいるものの、普段饒舌でもだいたいが沈黙する。
「沈黙は金、雄弁は銀」という諺あるが、その意味することは沈黙ははるかに雄弁に勝るという事であり、筆者なりに理解すると「余計な事は喋るでない」ということになろうか。
このような仕事をしていると文句を言う次いでという訳でもあるまいが、余計な事を話す輩がいる。だいたいが男性で、筆者が関わった中で女性は一人だけだった。
人と人が交流する中で会話の持つ意味は大きい。社交は建前で会話するが、近い関係になるとつい本音が出てしまい喧嘩沙汰になることがある。
そういう観点で見ると政治家の本音というのか阿呆な発言には呆れる。野村哲郎農水大臣=参議=が海洋投棄している福島第一原発処理水を「汚染水」と述べ物議を醸している。日常会話の「汚染水」という本音をポロリと述べたのだろうが国政を司る大臣としての資質を疑ってしまう。言葉で職を失う政治家の典型である。