時の話題 「経済以外も大切に」

 先週末、平山郁夫版画展(風~るわっかない)、NHK交響楽団演奏会(旭川市民文化会館)、ミュージカルO・G・公演(文化センター)と芸術に親しむ機会に恵まれた。
 一昨日夜のミュージカルは、文化センターの指定管理者である東京美装北海道旭川支店が主催し、前回2018年の風間杜夫一人芝居のような来場者になるか他人事ながら懸念していたが、当日券含め300人近い市民が訪れたそう(岡田文化センター館長)で、まずは目出度しというところか。
 タカラヅカスターの旺さんは浅薄ゆえ知らないが、阿知波さんはテレビによく出ていたので知っており、二人の掛け合いは予想どおりで筋立ては陳腐だったものの、二人の演技ばかりか歌唱の実力のほどに感服した。
 東京時代、500人以上入ろうかというキャバレーに行きゴールデン街でも飲食した経験がある筆者にとって売れない歌手が頑張っていた光景が走馬燈のように思い浮かべ、自らの人生を回顧するという意味合いでも貴重な体験をした公演ではあった。
 コロナ禍で4年間中止された東京美装公演だが、八代亜紀を招くという企画もあったよう。このような企画が出来るからこその指定管理者であり、東京美装さんには「文化の殿堂」にふさわしい催しを今後も期待したいものである。
 人の生活には経済が最も大切な事とは思うが〝心の経済〟となる芸術はやるにせよ見るにせよ人間を豊かにする。いい映画を見て音楽を聴き、たまには舞台も。芸術は至上なる贈り物になる。