プロレフリーに転身 バスケ協会公認 消防職から阿部聖さん

 稚内出身の阿部聖さん(47)=札幌市在住=が日本バスケットボール協会(JBA)の公認プロフェッショナルレフェリーに採用され、本紙の取材に「支えて下さった関係者の皆さんに感謝したいです。日本のバスケットボールの発展に力を注いでいきたい」などと抱負を語った。
 商工高出身の阿部さんは平成6年から稚内消防署に勤務し退職する29年までの23年間、消防士の仕事をしながらレフェリーとして活動。平成16年に、JBA公認審判となり、23年にJBAのA級ライセンス、翌年にはAA級ライセンス(現S級ライセンス)を取得した。
 消防署を退職してからは札幌に移住し、別の仕事をしながらBリーグ(男子プロバスケットボールリーグ)などの審判をするなどした実績が認められ今年8月からJBA公認プロレフェリーとして採用された。
 レフェリーとしての活動でプロになる前の7月下旬に札幌であった高校インターハイの決勝、第95・96回天皇杯決勝などの審判が思い出深いなどと振り返って「プロになってこれまでは仕事をしながらの活動でしたが今はレフェリーとしての仕事に集中できる。プロ・アマ含め審判員が活動しやすい環境を作っていきたい」などと語った。
 25日から沖縄であるワールドカップの試合は担当しないが、練習試合は審判をすることなっている。「AA級を取得した時に、オールジャパン(天皇杯)の決勝の笛を吹きたいと夢を語っていましたが、段階的に道を進んで夢を叶えることもできました。目の前のことをコツコツをやってきて色々なチャンスが巡ってきました」と話していた。
 故郷の稚内への思いについては「稚内の人にレフェリーとして育てられました。消防にいた時は職場の皆さんのサポートがあって活動できたこと本当に感謝しています。プロになって活躍している姿を見せることで恩返したい」と活躍を誓い、稚内消防署に勤務する兄・阿部陽太郎さん(51)は「色々な人のサポートがありますが、苦労してレフリーをしていたことを知っていますのでプロになり、兄として誇りに思っています。頑張ってほしい」と期待していた。(武田誠司)