時の話題 「中央商店街」
西條百貨店(大黒4)ほか食品スーパーが〝ふんどし街〟に点在し市民の衣と食を賄っているが、以前、稚内の中心と言えば中央アーケード街であった。
高林百貨店があり相沢が入るレンバイがあり白金堂、マルコ前田など軒を連ねブティックも多かった。稚内華やかし頃を具現したアーケード街の店舗は市井に暮らす人々にとって憧れの一角であり筆者の同級生の呉服店の娘さんには淡い恋心を抱いたものだ。
百貨店も紅屋や中央プラザがあり洒落た食堂もあった。郵便局縦通りには火事で焼失したが相沢入るレンバイとは別のレンバイもあり、その裏道は仲通り。稚内の夜を彩る紅灯街であった。
「マチ」と言えばアーケード街中心にした中央2、3丁目であり市役所や産業会館(今の文化センター)、稚内署があり、隣りの中央4には市立病院、稚内電信電話公社(のちのNTT)があった。
アーケード街が衰退した一番の理由は30数年前、稚内駅前にあった西條百貨店が移転改築する際、当初候補地に上がった文化センター縦通り地域への移転を高林百貨店などアーケード街店舗が猛反対し計画が御破算になったためでる。
思うに経営者諸氏は近くに西條が出店すると客を取られてしまうと早合点したのだろう。足元ばかりを見て先を見る思慮深さが足りなかったということになる。
今春の市長選に立った佐々木政美氏が市役所新庁舎と信金を一体化した建物でのアーケード街再生策を示すも画餅に終わった。あのように大胆な策講じる以外再生の道はない。