時の話題 「次の大関は」
大相撲九州場所は前頭9枚目の阿炎が巴戦を制し初優勝した。数回、賜杯を逃がしてきた髙安はまたしても涙を飲んだ。
阿炎は千秋楽までの最後の5日間勝ち続け本割で先行する髙安を敗り巴戦1戦目で髙安を敗り、大関としての執念で勝ち残ってきた貴景勝も敗り初めて賜杯を手にした。
阿炎は奔放な性格が災いしコロナ禍での相撲協会の外出自粛を破り接待の宴に臨み3場所出場停止という処分を受けた。3場所というのは都合半年間であり錣山部屋に止まる禁足令の日々を過ごして得たのは相撲に対する直向きさであったのだろう。復帰してからは何度か優勝戦線に絡み今場所は最後の最後に髙安に追い付き28年ぶりという巴戦を制したのは自己鍛錬もあるが天運が味方したからであろう。
大横綱白鵬が引退してからの1年間、古傷を持つ横綱照ノ富士は欠場しがちになり年6場所の優勝者が全て違うという珍事さえ生み今場所の阿炎関含め平幕力士が優勝力士の多数を占めるという情けない実状に思うのはワクワク感はあるものの、番付が破綻しつつあるのではという危機感であろうか。
現実、大関正代は負け越し、先場所を大関を陥落した御嶽海の不甲斐無さが如実に物語っている。
照ノ富士の引退が近付く中、貴景勝への期待は膨らむが押し相撲は好不調の波が激しく横綱に昇進する絶対条件である2場所連続優勝は至難であろう。であれば次の大関はと問えば?の一言だ。
1月場所は阿炎関と豊昇龍に注目し、次の大関を語りたい。