一気に5件と増勢 商工リサーチ10月道北倒産 稚内でも1件発生

 東京商工リサーチ旭川支店によると、10月の道北地域の企業倒産は3月以来7カ月ぶりに複数(5社)となり、負債総額も3億3477万円と前月の4・6倍にもなり、稚内でも業態を不動産賃貸に変えていたモリツウ(大黒3)が倒産した。
 旭川で青果物卸売業を営むニーズと同加工のファームテスターほか、富良野の青果物卸売の三村青果と滝川の家具販売西沢家具店が破産した。
 全道の10月倒産は20件(前年同月対比8増)で負債総額35億5700万円(同21億9500万円増)。このうちコロナ禍関連倒産は10件だった。
 今後について同支店は「ゼロゼロ融資受付が9月末で終了し融資実績は42兆円にのぼり企業の資金繰りを支えてきた。ただ、この融資は返済財源の乏しい脆弱な企業も容易に調達できたため、事業規模以上に借入することになり過剰債務という副作用を引き起こしている。
 アフターコロナに向け動き出している中、業績回復の遅れ、過剰債務により新たな借入が難しい企業が増加しており、円安によってエネルギーや原材料費などの高騰と人件費上昇など新たな課題が浮上している。こうした状況下、競争力が乏しい企業はコスト上昇分を転嫁できず厳しい経営が当分続くものと見られており、業績回復が進まない企業が倒産件数を押し上げる可能性が高まっているとしている。
 倒産企業の負債額は▽モリツウ 1150万円▽西沢家具店 5175万円▽三村青果9952万円▽ファームテスター 1000万円▽ニーズ 1億6200万円。

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