時の話題 「生きにくい世の中」
暖かかった秋の最終盤を迎え数日前からめっきり朝の冷え込みが強くなった。明後8日は二十四節気の「寒露」なのだから仕方ないにしても「また雪の季節か」と思うと肩をすくめてしまう。寒いのは未だしも雪との格闘は御免願いたい。
一昨年2月以来、これまで私たちはコロナ禍第7波を経験し、自らの感染、ひいては命の危険におどおどしながら暮らし、どうにかこうにか生き抜いてきた。オミクロン株の爆発的な直近第7波の感染を経て改めて気付かされるのが健康の大切さであり、年齢を重ねた方々こそ、その思いを強くしていることであろう。
社会的地位や名誉ばかりでお金も残せなかったと悔いてみても年金を支給される年嵩になれば巻き返しも容易でないのだが、身体だけは健康な御仁はおられよう。一番の冥利ではある。
逆にお金や地位があっても身体が弱く身内に何かとごたごたがあれば安寧とした晩年は送れず、地を人を創造した天上人のサジ加減を尊崇してしまう。
筆者と同年輩の安倍さんが不慮の死を遂げ、ほかには同じ時代を生きてきた著名人ら人々の訃報に触れ思うのは今更ながらの事だが人の命は何時か尽きるということだ。個人的には還暦を過ぎた辺りから強く思うようになるも後悔先に立たずで、これまでの人生を悔やんでみても詮ない。
幸い物書きという職業にあり他の人のため意義有る事できればと望んでみても願いどおりに運ばないのは今までの人生が教えてくれる。生きにくい世の中ではあるが、泥臭く生きていくしかない。