来年度も存続へ 抜海駅 昨11日、副市長が住民に報告
利用者の低迷で廃止が検討されているJR宗谷線の抜海駅について、稚内市は11日、抜海・クトネベツ町内会への報告会を開き、令和5年度に関し市の負担で駅を維持することを伝えた。ただ6年度以降は未定で、住民との意見交換や代替交通手段の検討を続け来年5月をめどに判断する。
利用者減でJR北海道が廃止の方針を示している抜海駅について6月議会で令和3年度から2年間負担した維持管理費(年間100万円)を来年度以降、負担しないことを表明し、7月に開いた両町内会への説明会でも工藤市長は利用者数が変わらない中で公費を投入して駅の維持費を負担し続けるのは市民に説明がつかないとし「高齢者の足を守るためバスやタクシーでの代替の交通手段を考えていくことが必要」などと市の考えを示していた。
11日に開かれた報告会に出席した抜海町内会の森寛泰会長、クトネベツ町内会の上原太一会長らを前に、川野副市長は「代替交通を進めていく上で地域の理解がない中で進めていくのは問題がある。地域としっかり話し合う時間が必要」と話し来年度は駅の維持管理費を負担すると考えを見直した。
駅の存続は1年間伸びたが、上原会長は「代替交通と駅の存続は別問題にしてほしい。観光資源として駅の価値を、市民全体で考えてほしい」と訴えた。
報告会終了後、森会長は「駅が1年間残ることは決まりましたが我々の思いを聞いても稚内市の廃駅にするという考えは変わらないよう。抜海駅の存続価値を高める活動を続けていきたい」とし、10月には抜海駅を活用したイベントを予定していることを明かし「全国に駅のことを知ってもらうイベントにしたい」と話していた。