4~6月は売上増も利益軟調 稚内信金景況調査 建設と自動車販売下振れ
稚内信金は、今年4~6月景気実績と7~9月期の景気予測をまとめ景況レポートとして公表した。
6月1~7日まで193社から職員聴き取りとウエブから感触調査したもので、4~6月の売上額DI値はプラス8・8(前年同期対比15㌽上昇)、収益はマイナス6・2(同2・6㌽上昇)と、売上げは持ち直すも収益に関しては軟調な状況と判断した。
業種別では▽製造業は受注額DI値20(同34・3㌽上昇)、収益マイナス5・7(同8・6㌽上昇)。魚価高によって水産加工が受注額、収益とも改善したが、食品や土石・骨材部門は原材料高によって収益は低調▽卸・小売業は売上額5・9(同15・5㌽上昇)、収益マイナス11・8(同7・4㌽上昇)と改善示すも、サプライチェン(部品供給網)の混乱により資材の入荷が遅延している建築資材部門での売上げが悪化し、半導体不足で自動車販売部門は売上げ・収益とも悪化。行動制限の緩和で経済活動が正常化してきている食料品や衣料品、燃料、スーパー・コンビニが売上げ・収益ともに改善▽サービス業は売上額30(同23・9㌽上昇)、収益22(同17・9㌽上昇)。ホテル、クリーニング、飲食店が改善する一方、福祉・介護、自動車整備は軟調だった▽建設業は受注額マイナス14・7(同2・9㌽低下)、収益マイナス32・4(同17・7㌽低下)。資材入荷の遅れにより工期に狂いが生じ資材価格高騰と原油高を背景に総合、設備とも悪化▽運輸業は売上額0・0(同30・8㌽上昇)、収益マイナス23・1(同変わらず)。一般旅客は改善、貨物は売上げ、収益とも悪化。
経営上の問題点として①人材不足②仕入れ・原材料値上がり③売上(受注)の減少④人件費以外の経費増加⑤機械、店舗の狭小・老朽化。
7~9月期見通しは製造業やサービスは良好な一方、物価上昇、原油高による影響が懸念される卸・小売業、建設業は低調な見通しとなっている。