時の話題 「抜海駅廃止問題」

 稚内市としてはJR抜海駅廃止に一歩踏み出した。この2年間、駅の維持管理費として助成してきた約100万円について来年度は取り止めることに。
 抜海町内会館で開かれた住民説明会で工藤市長は、この2年間、駅で乗り降りする人は変わらず100万円助成することに、(他の市民へ)説明できないなどと助成を打ち切る方針を示したというが、最北の地の秘境的な駅として知る人ぞ知る駅の廃止表明は残念でならない。住民の怒りはもっともである。
 何とか残す方策はないものなのか。地元行政が手を引いたにしても森寛泰町内会長が構想するようクラウドファンディング(一般の人達から寄付集め)で管理運営費を捻出できないものか。抜海地区出身の社長さんら市民もおり、生まれた場所への思い入れは強いのでなかろうか。
 漁業という生業を持つ森会長は難しいとしても宿泊施設を営業する伊東幸さんらが事務局をし募金を呼びかけたらどうなのだろう。
 市長が駅廃止に踏み切ったとしても肝所の資金を手当てできれば存続は可能だろう。
 要は行政に頼らず住民自らの手で駅を存続するのである。
 そうすれば市長だって文句は言えないだろうが、問題はJR北海道である。不採算路線の宗谷線の途中駅を一つ々々潰して将来的な廃線を見込んでいるのだろう。
 ロシアとの将来関係が不透明な中、日本列島の北端を守るという観点から宗谷線は守らなければならない路線だ。自治体首長はJR北に手を貸さずマチを守るんだという気概を持たねばならない。

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