時の話題 「凹むばかりでなく」
道内公立高校の入学試験出願状況が発表され、宗谷学区では6高10学級すべて定員割れした。
最高は稚高普通科の0・9倍。定員120人に対し109人の出願なので出願変更などで定員に達することはなく、宗谷学区の定員割れは恒常化していると言っても過言でなかろう。
以前は普通科が定員割れなら商業科(旧商工高時代含め)、衛生看護科で汚名をカバーしたものだが、今では叶わず、これから更に少子化が進むことから普通科の現行3学級→2学級への間口削減案もいずれ浮上してくるのでないのか。
人口減少問題はマチの経済的疲弊など原因はあるが、少子化が付いて回る。経済的余裕がないのに子どもは多く生めない。
数が多けりゃいいものではないが、子どもが多いと活気ばかりか将来への明るさも感じる。それだけ少子化は地域に影を落とす。
そのジリ貧著しい稚内にあって宗谷岬地域は別世界のようであり、ホタテやミズダコ生産の増収によって唯一、人口が増えている。
苦境を乗り越え軌道に乗ったホタテ養殖事業はコロナ禍初年の2019年には中国を中心とした輸出品の価格が低迷したが、翌20年は盛り返し21年は史上最多の100億円超えとなった。
心配なのは地球温暖化による海洋の変化で7年前の15年のような高潮被害など自然災害に遭わないとは言えずおかしな自然の影響を受けない漁場づくりと生産供給態勢が求められよう。
何処かが凹むと何処かが助ける。稚内の強みと言えようか。