業種問わず厳しく コロナ禍 商工会議所影響調査 飲食、宿泊は塗炭の苦しみ

 稚内商工会議所は会員事業所を対象に、昨年11月以来、ほぼ1年ぶりに実施した新型コロナウイルス感染症の経営への影響調査結果を公表した。
 無利子無担保融資(ゼロゼロ融資)の元本と利息返済が始まろうとする中、今後も厳しい状況が続くことが懸念されるとして「早くコロナ前の状況に戻るよう需要喚起策を国・道・市に求め、同所としても情報提供含め支援するよう努めたい」(達専務理事)としている。
 調査は事業所782社を対象に10月5~22日までの日程で行い241社が回答(30・8%)した。
 ▽令和2年度と比較した現在の経営状況について、昨年と同程度で厳しい状況が続いている(44%)、昨年より悪化(21%)と、3社に2社の65%が厳しい状況にあるとした。
 特に飲食業の4割以上が「昨年より悪化している」と答え、「昨年と同程度で厳しい状況」とを合わせると8割以上の事業所が「厳しい状況」とした。宿泊業でも同様な結果が出ている。
 ▽今年4~9月の売上について、全業種合計で5割以上の事業所が一昨年(コロナ影響前)に比べ売上を落とし、飲食業は営業時間や酒類提供時間の制限によって7月と8月は半数を超える店で50%以下となった。
 昨年(コロナ影響後)との比較では、全業種合計し8月と9月に5割を超える事業所で売上を落としておりコロナ禍影響の長期化が窺える。飲食業は5月で4割超、7月と8月も3社に1社は50%以上売上を落とし深刻な状況にある。
 ▽借入については、回答事業所の約4割91社で借入し、うち5割の43社が1年~5年間の元本据え置き期間を設けたが、今後始まる返済への影響が強く懸念される状況にある。
 ▽今後の事業の方向性については、77%の179社は当面の間の事業継続に問題無いとしたが、20%弱の39社は「現状が続けば廃業を検討せざるを得ない」と回答した。
 ▽今後、懸念される影響や不安について、売上減少が152社と7割を占め、次いで消費・景気の低迷、労働力不足と続く。
 燃油価格高騰などによる食料品、建築資材の価格上昇を懸念する声も多くあった。
 ▽今後、国・道・市に求める支援について給付金136社、資金繰り支援69社と続き、多くの事業所で資金手当てに苦労している状況が浮き彫りになった。
 今回の調査結果から稚内商工会議所は、新たな支援制度の会員事業所への迅速な提供に努めると共に、給付金・補助金など申請の支援について各支援機関と連携し対応していくとしている。

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