時の話題 「流動化する政局」
菅総理のおひざ元とも言える横浜市長選で自民党の小此木八郎前衆議(56)が、当選した山中竹春氏(48)=立憲民主党推薦、元横浜市立大学教授=に18万票以上もの大差をつけられるという惨敗を喫した。
この選挙結果によって9月末任期の自民党総裁選は流動化し、10月21日まで任期の衆院選の行方は風雲急を告げている。
小此木氏の父親(衆議)の秘書を務め、それを足掛かりに横浜市議、国会議員と昇り詰めた首相にとって大恩人である父親の子息とはいえ自身が推し進めているIR(カジノなど統合型リゾート施設)に反旗をひるがえし現職大臣(国家公安委員長)という職を投げ出してまで出馬した小此木氏に何故肩入れしたのか。義理人情を優先したとはいえ首相として、国家プロジェクトとして取り組んでいるIR反対の候補への肩入れは日本国のトップ失格であろう。
国家よりも個人的な関係を重視したからでこの国のトップを任せられないと、大方の国民が共有したのではないか。
義理人情を大切にすることは人間として悪いことではないが、国家のため私事を超えた決断と実行が求められている首相としては落第であろう。
政治家という職業は国であれ都道府県であれ市町村議でも支援者を大事にし職務を遂行しなければならないのは分かるが、式典やイベント、冠婚葬祭への参加は重要でないとは言わぬも、要はそのマチのため、どれだけ働いたかが実績になる。
それを取り違えると住民の反発買うので心しなければならない。