悲劇、風化させず 九人の乙女平和祈念祭 栗山、吉田さんら34人出席
第59回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭が20日、福祉センターで執り行われ、参列した乙女の同僚や関係者は平和への誓いを新たにした。
コロナ感染防止のため昨年と同様に今年も参列者を限定し、遺族はじめ実行委ら関係者34人の出席だけで規模を縮小して営まれ、樺太物故者への黙祷あと実行委員長の工藤市長が「悲惨な歴史を風化させることなく、次代を担う若い世代に平和の大切さ、命の尊さを訴え、語り継いでいくことが犠牲となられた御霊に対し報いるべき道であり、責任であります」などと式辞を述べた。
鈴木道知事(代理・村上喜一宗谷総合振興局くらし・子育て担当部長)、岡本市議会議長ら来賓4人が慰霊と平和祈念の言葉を述べたあと、九人の乙女の肖像画が飾られた祭壇に工藤市長らが花輪、参列者が一輪菊を捧げ九人の乙女や樺太で亡くなった日本人の冥福を祈ると共に世界の恒久平和を願っていた。
九人の乙女の一人・松橋みどりさんの姪吉田理香さん(58)=岩見沢市=は「毎年欠かさず祈念祭を開いて頂いていることに遺族として感謝しています。悲劇が二度とないよう世界が平和になってほしい」と語り、九人の乙女と真岡郵便局で働いていた栗山知ゑ子さん(93)=和寒町=は「当時17歳だった私は年上の彼女達に仕事など色々教わりました。懐かしい思い出です」と懐かしんでいた。