土砂災害で鞘当て 市議会総経委 横澤議員と千葉議員
20日、市正庁で市議会総務経済常任委員会が開かれ、市の土砂災害警戒地域と防災対策について横澤議員(自由クラブ)と千葉議員(志政会)が違う見解を述べる鞘当てがあった。
田中市総合防災課長の説明に対し横澤議員は土砂災害警戒地域の指定要素として土質は入っているのかと質し田中課長が入っていないと答えると「稚内の土質は頁岩が多く深層崩壊は考えられず、道内では表層はあるものの、深層崩壊は無いので市民への周知と啓発が必要。法面などに盛り土している所が危ないので調査すべきだ」と質すと、田中課長は盛り土がある土砂災害警戒地域の調査を鋭意行っていると答えると横澤議員は「警戒地域指定に当たっては土質を考慮しなければならない」とクギを刺した。
そうすると次に質問した千葉議員は「様々な知見をもとに下した判断で、国に土砂災害警戒地域指定について電話で質問したところ国は工事を施しても指定は変わるものでないと答えている」とし、「本州各地で起きている線状降水帯によるゲリラ豪雨は他岸の火事でない」と述べると、小室防災担当主幹は「警戒レベル5での避難は個人判断に負うところが大きい」とした。
横澤、千葉両議員に見解のズレがあったものの、その後の二人の主張は「危険箇所は市民に知らせなければならず、危ない所に建物を建てるべきでない」との見解に至ったが、土門総務防災部長は「危険指定箇所に建てようとする市民はおり財産権など絞ることになり出来るだけ個々人が情報把握に努めるべきだ」とした。
クマ・シカ・アライグマによる被害について山谷農政課長が19、20年度に各1件の被害があったクマは別にして18年~20年度の3年間でシカ423件、アライグマ170件の被害があり銃や囲いわななどによってシカ2424頭、アライグマ869頭捕獲しているとし、アライグマの繁殖率が高く増加傾向にある―などと報告。これに対し鈴木茂行議員(公明党)は「今回クマが出没した西浜や栄1では朝方、散歩している市民が多いので猟友会との連携を強化し対応して欲しい」とし、藤谷議員(市民クラブ)は「道(振興局)との情報共有を密にし組織だった対策が求められる」と述べた。
稚内港への大型クルーズ船は今年度7隻で12回の寄港が予定されていたが全て中止になったとの阿部港湾空港課長の報告に対し藤谷議員の失われた経済効果は―と質問。北浜建設産業副部長は「概算で1億円以上見込んでいた」と答えた。