時の話題 「千秋楽相星決戦」

 9年ぶりの千秋楽結びの一番での全勝対決を堪能した。勝った白鵬の鬼の形相に横綱の飽くなき勝利への執念と勝負師魂を感じた。
 プロレスのエルボー技を髣髴させる白鵬の搗ち上げから始まった大一番は張り手合戦となったが隙を見て白鵬が四つとなり、上手投げをし小手投げで照ノ富士を土俵に叩きつけた。
 この鬼の形相はケガを押して武蔵丸との横綱同士の一戦を制したあとの貴乃花以来のことである。
 白鵬は45回目の賜杯を抱き、一方、敗れたといえど照ノ富士の横綱昇進が決まった。6場所連続しての優勝は史上初めて(大鵬は5場所連続休場後に優勝)のことで、一方、大関から陥落し序二段から復活めざし精進し先場所、大関に復帰したばかりの照関の横綱昇進は確実になった。
 横綱という角界の頂点を極めた白鵬関と照関を比較した場合、判官びいきもあるが、照関を応援する相撲ファンは多かったろう。勝負というのは非情なものであり泥臭い相撲で白鵬関が勝ってしまった。
 勝負は誰が何を言おうと勝たなければならないのだが汚い手を使っても勝とうとする奴はいる。そういう輩には天罰が下るものだと常々思っている。
 汚い手を使う奴は結局自分の事しか考えていない。正々堂々と勝負し負けた人には神の御加護があり、その後の人生で自分の能力を発揮する機会が訪れるが卑怯な奴には二度と好機は訪れない。
 勝ち方があるよう負け方もある。千秋楽決戦でいみじくも分かったのは勝者には美学が必要だということだ。

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