週末雑感
先ずは目出度し。先月28日、宗谷岬の東方沖で操業していてロシアの国境警備局にだ捕されサハリン州コルサコフ港に連行されていた稚内機船漁協所属の沖底船第172榮寶丸(160㌧乗組員14人)が解放され、昨11日朝、稚内港に戻ってきた。
船員は新型コロナウイルス感染防ぐ措置として2週間、自宅謹慎するが無事戻ってきたことに家族はじめ組合関係者、市長ともども市民も安堵している。
だ捕の不当性を主張するのは国レベルの話だが、11日開かれた組合の総会出席のため事務所に現れた風無組合長は「我々がとやかく言うことではないが、我々のことは国も承知している。適切に対応して戴けるだろう」としていたが断腸の思いなのは確かで、ここは排他的経済水域(EEZ)の模糊とした線引き含め日ロ双方で禍根を残さぬよう話し合ってほしいものだ。
乗組員の自宅待機が解けたあと榮寶丸は、今月1日に解禁されたオオナゴ漁に着業しなければならず豊漁を願っている。
稚内は国境のマチなのだが、緊張感はこれまで皆無と言っていいほど無く、今回のだ捕で市民は改めてそう安閑としていられない土地に住んでいることを自覚させられた。
今回のような事が今後、起こる可能性があるので沖底船は心して操業しなければならず、GPSがあるとはいえ〝玉虫色〟の中間ラインでの操業は出来るだけ控えねばなるまい。
比較的短期間で解放されたのは、これまで稚内港基地の沖底船の違反操業が極めて少なかった事も影響しているだろうか。先人に感謝したい。