「乗組員帰国し安堵」 6月議会 市長が一般行政報告

 市議会6月定例会が11日から開会。新庁舎整備事業などを盛り込んだ一般会計補正予算案5億6709万円など議案14件が上程され初日は工藤市長が一般行政報告した。
 最初に11日朝、稚内港に戻った榮寶丸について触れた市長は、ロシア側にだ捕された5月28日以降、船と乗組員14人全員の早期解放に向けて連絡本部を設置し、国や道などへの情報収集、早い解放に向け要請活動をしてきたことを説明した上で、8日に乗組員全員が解放されるとの一報が稚内機船漁協に入り、帰港受け入れの調整を行ってきたとし「本日、朝早くに無事、全員が稚内港に帰港することができた。先ずは乗組員の解放が実現し安堵しているところですが家族と共にゆっくり静養して頂きたい」と述べた。
 新型コロナによる影響や感染予防対策については、昨年とは比較にならないスピードで感染拡大し極めて深刻な状況が続いているとし、市民の皆さんが楽しみにしている様々なイベントが中止され今は開催が難しい状況にありますが、今年は開催を見送ることを決定していた3年に一度の南中ソーラン全国交流祭のリモート開催を検討しており、今後は他のイベントをコロナ禍でも開催できる手法を検討していく必要があるとの考えを示した。
 市立稚内病院については、コロナの専用病床を17床から30床へ増やし患者の受け入れ体制を拡大。今は逼迫するような状況ではないが、市民に対し新規感染が拡大しないよう引き続き感染防止対策を徹底して頂くよう求めた。
 ワクチン接種について、医療従事者を最優先し、次は高齢者施設の入所者、施設入所以外の高齢者が1万人おり、75歳以上、65歳以上と段階的に接種を開始し、高齢者の1回目の接種率は10日まで40%を超え順調に推移。12日からは65歳以上で未だ予約が済んでいない人を対象に予約を開始し、今の予定で接種を希望する65歳以上の人の接種は7月下旬までには終えることができる見通し。接種の対象年齢が12歳以上に拡大されるなど今後の接種スケジュールを更に加速化すべく準備を進めており、接種は強制ではありませんが、発症や重症化を抑える有効な手段であり、市民の皆さんが一日も早く一人でも多く安全に接種が進むよう努めていきたい―と述べた。
 また、議事を前に全国市議会議長会から10年勤続議員に対する表彰状の伝達が行われ、伊藤正志議員(自由クラブ)、佐藤由加里議員(日本共産党)に岡本議長から表彰状が手渡された。

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