時の話題 「休廃業の増加」
コロナ禍が1年半以上と長引く中、力尽き事業継続を断念する会社が増えている。
東京商工リサーチによると、昨一年間での全国の休廃業・解散企業は約5万件あり、前年から15%ほど増え、2000年からの調査開始以降、最多を記録した一方、企業倒産は7800件ほどと前年を7%下回った。政府や自治体、金融機関の資金繰り支援策が奏功したようで、休廃業と倒産は対照的な結果となった。
休廃業した企業の代表者の41・7%は70代で、60代を含めると実に84・2%と8割を超え、事業継承が進まず社長の高齢化が休廃業が加速する要因になっている。
業歴別での構成比は①10年以上20年未満21・7%②20年以上30年未満が15・6%と多く100年以上の0・03%とは対極を成す。
この全国的な状況を基に稚内の経済状況を分析すると、長く稚内の経済をけん引してきた沖合底曳き網漁業と関連する水産加工業の倒産は一時の増勢から落ち着き現在は経営力のある企業が残っているので暫く今の安定した状態が続くものとみられる。
ホタテやナマコなど沿岸漁は、コロナ禍が終われば浜値回復が見込めるも共に中国など外国への輸出が多い魚介なので楽観視はできない。
建設・土木はジリ貧ながら公共事業は保たれている。しかし人口減による需要減での住宅新規着工数の続落が影を落とす。
観光はコロナさえ終息すればV字回復が見込めるもK字の二極化が進んでいる宿泊業界の倒産に至らずも休廃業の懸念がある。