時の話題 「タダ酒」
タダほど高いものは無いと昔の人はよく言っていた。それなのに東大出の高級官僚は聞く耳を持たない。東北新社、NTTの総務省官僚への接待攻勢は続き今度は元総務大臣の高市早苗衆議、野田聖子自民党幹事長代行にまで及んでいたというのだからズブズブの関係のようだ。
政治家も官僚も上に行くほど誘惑の魔手が伸びてくるので心して掛からなければならず「これ位いいでしょう」との甘い考えは慎まなければならない。
脇が甘いと喝破できようが、調査が進むほど次から次へと接待を受けた御仁が出てくるという事は、どうも一過性なものでなく代々引き継がれてきたのではと疑いたくなる。恒常性があるので当人は何とも思わない訳である。
というマスコミも逆に行政組織とのもたれあいは過去酷いものがあった。平成8年、読売新聞がすっぱ抜いた行政の裏金事案まではタダ酒を飲んでいたのだから社会の木鐸の資格は無かろう。
日本社会の慣習もあるのだろうが、招待した側は会食代を全て持ち、御馳走になる方は会費払わず饗応を受ける。これが常態化し接待する方もされる方もおかしいとは思わず、そこで何か具体的要望がある事は無いものの飲み食いし会費ゼロというのが昔の通り相場であった。
読売新聞報道後は襟を正すかのように全ての宴席は会費制になったものの、特権的意識の高い官僚や政治家に浄化の呼び掛けが届かず笛吹けども踊らずになったようだ。
前田翁に生前よく言われた事がある。「タダ酒は飲むな」と。