時の話題 「大震災から10年⑴」

 三陸一帯を襲った巨大津波と死者こそ出なかったが福島第一原発事故での放射能汚染が終息しない東日本大震災から10年たった。
 何処の総理か失念したが、東京五輪招致のプレゼンで「福島はアンダーコントロールできているので幾ばくかの懸念は必要ありません」と絵空事を公言したことがありましたっけ。お天道様はその嘘を忘れず御仕置として昨年開催する筈だった東京五輪を延期させ、1年たっても終息しないコロナ禍によって東京五輪自体の中止の可能性まである。
 筆者が常日頃言い、小紙に書くようにダメな為政者だと次から次へと綻びが出てきてしまい、それこそ収拾つかなくなる。今の日本が当てはまる。
 関連死、行方不明者入れ2万2千人もの犠牲者が出た大震災。生まれた子が小学4年生になり、小4が成人になる年月が過ぎた。
 震災が起きてから私達は「あの日を忘れてはならない」と東北の人達に寄り添うかの姿勢を示しているが、彼・彼女らに対し何か出来ただろうか。
 筆者は震災から2年後の2013年のGW稚内を愛する市民の会(佐々木政美会長)の人達と共に被災地に足を踏み入れた。家も何もない所に大型漁船が乗り上げているし、簡易な建物で商店の方々が営業していた。南三陸町の被災した防災対策庁舎前に設けられた焼香台では線香を上げることが出来ず涙が止まらなかった。犠牲になった43人の魂が建物周辺をさ迷っているような気持ちに襲われた。
 津波対策が講じられているが、再稼働ありきの原発はいけない。

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