時の話題 「吹奏楽団演奏会」

 コロナ禍中、つらつら思うのは何気ない日常の有難さである。四季折々の年中行事・イベントは昨年まで余程の事が無い限り開かれ我々国民を楽しませてくれた。家の中の母親のような存在であり元気付けてくれる。
 現下の稚内でも何もかも中止になる中、稚内吹奏楽団の定期演奏会が28日開催される。コロナの感染拡大で5月から延期されていたが、高校生4人も出演し、今、絶大なる人気の「鬼滅の刃」主題曲など演奏する。
 20年ほど前、2つの演奏団体が大同団結し結成された同吹奏楽団は試練の時代を乗り越えてきたという矜恃もあるのだろう、「こういう時だからこそ市民の皆さんに音楽の素晴らしさを」との気概を持ち演奏会開催にまで漕ぎつけた団員の皆さん全員にエールを送り称賛の言葉を贈る。
 コロナという怪物の前に文化など吹き飛ばされてしまった感のある状況だが、ただ聴くだけでない演奏会は思うに心に響くものであろうし感涙ものなのに違いない。是非、市民の皆さんにお出掛けする事お薦めする。
 多くの人が集まるライブや演奏会、演劇などの関係者はコロナによって崖っぷちに立たされているだろうが、どうか乗り越えてもらいたい。芸術の真価は危機の時だからこそ発揮されなければならないし、鑑賞する側の我々はリスペクト(尊敬)の念を持って応えなければならない。
 何もかも中止・延期される状況にあって市民の心に光をとリスクも顧みず果敢に臨もうとする楽団員の心持には、普段、胆力の大切さを説く筆者の心にも突き刺さってくる。

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