北防ドームなどで灯籠ともし平和希求 撃墜事件から37年経つ
乗客・乗員269人全員が犠牲になった大韓航空機撃墜事件から37年経った1日夜、第15回稚内市子育て平和祈念の灯が北防波堤ドーム内に灯され、犠牲者の御霊を供養した。
新型コロナウイルス感染防止のため遺族は出席せず、今年は規模を縮小し開催。開会式で参加した実行委や市民ら60人余りを前に、工藤市長が「平和を強く意識しこのマチで育つ子供たちの成長を願いながら皆さんと一緒に点灯したい」などと挨拶。田中俊美実行委員長が「コロナ禍の中で共に支え合う気持ちを大切に、世界に向かって平和を願い皆さんと点灯したい」と述べたあと、事件で2歳の時に32歳だった父が犠牲となった山口真史さん(39)のメッセージ「稚内に行くことは叶いませんでしたが、遠く関西から祈りを捧げます」と代読された。
このあと、参加者全員にドーム内に設置した100基と市役所前庭の50基、市内4つの活動拠点センター前に2基ずつ8基の158基の灯籠に火を灯し、世界の恒久平和を願っていた。
「世界平和願い鐘打 大韓機事件 宗谷岬公園で記念式」
市、稚内市子育て推進協議会など主催の第33回稚内市子育て平和の日記念式典が1日、宗谷岬公園で開かれ、参列者120人が大韓航空機撃墜事件の犠牲者の冥福を祈った。
新型コロナウイルスで遺族会の人たちの参列は叶わなかったものの、参列した関係者を前に、工藤市長は「世界で発生している人種差別など不条理なことに対し、この地からノーを届けたい」と挨拶。続いて参列できなかった遺族会の山口真史さんの「コロナの影響で伺うことができず思いを馳せる機会を逃し残念に思う。遠く関西から共に祈りを捧げます」とのメッセージが披露された。
山口莉菜市連P子育て委員長の子育て平和都市宣言朗読、坂本稚内市校長会長の子育て平和の意義のあと、代表児童生徒6人が平和への決意表明をした。
参列者は世界平和の鐘、子育て平和の鐘を鐘打し、平和な世界を強く願っていた。