時の話題 「照関おめでとう」
あれよあれよとの賜杯であった。大相撲7月場所は元大関で序二段まで下がった幕内幕尻の照ノ富士が優勝した。かっさらったというのでなく13日目の大関朝乃山、千秋楽の関脇御嶽海戦は堂々の勝利であった。
優勝後のインタビューで照関が「頑張れば何か良いことある」と話していたように大きな御褒美が待っていたものである。祝福申し上げる。
今場所は1月場所以来3場所ぶりに砂かぶりの溜り席に観客を入れないなど入場客を制限したとはいえ有観客で行われ、序盤は新大関朝乃山に耳目が集まる中、横綱白鵬も星を伸ばし、小欄でも触れたが相星決戦かと見られた。
その流れが変わったのが11日の白鵬の大栄翔戦であり翌12日にも御嶽海に敗れ休場にまで至った。4日目の隆の勝戦で古傷を痛めていたとのことだ。
朝乃山は12日まで1敗しかせず賜杯を十中八九手にしたと思った途端、照ノ富士との相星決戦に敗れ、翌日は照関と同部屋(伊勢ケ浜)の照強に足取りで痛恨の敗戦を喫し賜杯を手にすることはできなかった。
照関も終盤は大関陥落の要因となったヒザの調子が思わしくなかったものの速い攻めに徹し5年ぶり2度目の優勝を果たした。
照関にとって来場所が正念場となろう。幕内上位に上がり連日、強豪力士との対戦があるからだ。弱点があるヒザを攻められよう。
白鵬がけん引してきた角界は世代交代期に入っており、これからは朝乃山を中心に動くものと見ている。
とはいえ照関復活は見事であった。