尊重するのは本人の意思 在宅医療を考えるフォーラム
稚内市在宅医療・介護連携推進事業の市民フォーラムが26日午後、東地区活動拠点センターで開かれ、自宅で家族を看取った市民から経験談を聞き在宅医療について考えた。
医療や介護関係者はじめ地域住民ら150人余りを前に、主催者の道北勤医協宗谷医院の坂牧勉院長が「稚内では勤医協や市立病院など医療関係者の繋がりが広く、介護や在宅医療などの体制が整ってきました」などと挨拶したあと、市立稚内病院の山村貴洋副医長が在宅医療について講演し「病院でできるのは特殊な機械を使う治療だけで、最終段階で入院を必要とする人は限られる。本人や家族が希望すれば家に帰れない人は殆んどいない」と語った。
第2部では転倒して入院し寝たきりの状態となった祖母を自宅で看取った遠藤文さんが「本人の家に帰りたいという気持ちを大事にしました。自宅で過ごせたのは一日だけでしたが、喜んでいたと思う」と振り返り、稚内ケアプラン相談センターのケアマネージャーとして支えた井上まゆみさんは「遠藤さんご家族は本人の生前からの意思を悟り最後の場所は自宅でと決めていました。住み慣れた自宅で最期を迎えるには医師、看護師の協力など連携がいかに重要であるのかを感じています」と語った。