時の話題 「ホテルが提訴」
昨年9月6日に遭った北海道胆振東部地震での道内全域停電(ブラックアウト)で大きな損失を被ったとして知床第一ホテルが損害賠償を求め裁判所に提訴した。ブラックアウト以降、これまでコーポさっぽろが提訴を検討するような報道があったが断念したため同ホテルが初めての訴訟になる。宿泊客のキャンセルが数千人にも及んだためだという。
地震など自然災害であれば損害賠償請求には馴染まないが、北電のそれは人災であり、損害賠償請求に値するという考え方からの訴訟となった。
泊原発が停止する中、厚真にある火力発電所への依存度を高め、厚真が稼働できない事態になれば送電のバランスが崩れブラックアウトが起きるのは予見できたろうとのホテル側の考え方なのだろうが筆者もそれには同調する。
泊原発の再稼働を願うばかりで厚真以外の火力や水力、そして太陽光や風力など発電対策を怠ったためで人災だと踏んだホテル側の提訴はもっともなことである。
小社も停電した9月6日の発行は断念しなければならなかった。前日の5日に予約があった葬儀広告が7日掲載(7日通夜)でどうにか了承してもらい実害は無かったものの、聞くところによると稚内市内でも冷凍していたカニが融けるなど数百万円の被害があった所があったという。
正直、実害は無かったが小社ではこれを機に北電との契約を解除し市内企業が代理店をする新電力に切り替えた。全道停電という事態を起こしペナルティが無いのはおかしい。細やかな抵抗である。