悲劇、風化させじ 300人が参列し九人の乙女の碑平和祈念祭営まれる 

平和願い式辞を述べる工藤市長

九人の乙女関係者の栗山さんと中間さん

 第57回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭が20日、文化センターで乙女の同僚や関係者ら300人余りが参列し執り行われ、世界の恒久平和を願った。
 黙祷に続き実行委員長の工藤市長が「樺太の悲劇を再び繰り返すことのないよう次代を担う若い世代に戦争の悲惨さ、平和の大切さ命の尊さを訴え語り継ぎ、平和の実現のため日々努力することが私たちに課せられた使命であります」などと式辞を述べ、西本美嗣全国樺太連盟会長ら来賓5人が慰霊と平和を祈念する言葉を述べた。
 九人の乙女の肖像画が飾られた祭壇に工藤市長らが花輪、参列者全員で一輪菊を捧げたあと、詩吟連盟稚内支部が構成吟、稚内フラウエンコールが望郷の歌を合唱し、大谷高吹奏楽部が「主よ人の望みの喜びよ」など演奏した。
 九人の乙女と一緒に真岡郵便局で働いていた栗山知ゑ子さん(91)=和寒町=は「当時17歳で、皆さん年上で可愛がってくれて優しく仕事を教えてくれたことが懐かしい」と振り返り、真岡郵便局で勤務していた故金川一枝さんの娘で九人の乙女の物語を舞台公演している中間真永さん=札幌市=は「乙女の真実の物語を風化させないためにも次の世代にしっかりと伝えていきたい」と話していた。

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